白黒写真をカラー化させていただきました!

復元

昭和35年頃のお写真


先日、お写真のご依頼を頂きました。このお写真を含めて9点持ち込まれたのですが、そのうち5点が着色をご希望でした。
最初のお写真は、もとの状態がキズやテープの跡が残ってて、こういうお写真の場合は、まず傷の修正から始めます。
下の方はもともと暗くなっていたのと、写真にしたときに切り抜かれる両端部分、この部分は状態があまり良くなかったのですが、幸いトリミングOKでしたので、人物を中心にトリミングをさせていただき、傷や汚れを修正し、着色作業へと入っていきます。
洋服などは当時の資料などを探り、濃度などをもとに色を決めていくのですが、一番困ったのが、右端の男性の持っている冊子。

拡大して濃度などを調整してみると・・・

み、見えるっ!見えるぞ!!
かろうじて「こばと」って読めません?
このタイトルを検索すると、なんとありました!!!
『幼稚園えほん こばと 春の増刊ぽっこちゃん号』
この情報を参考に色を完璧につけることが出来ました。

この写真も元の状態が若干キズや汚れ、さらにピントも甘かったので高画質化の処理を施させていただいてからの着色作業です。
作業をしてて気になったのが男の子の着ている服の模様

コレはもしや・・・

鉄腕アトムですよね?!この特徴的な髪型はまさに鉄腕アトム。まさしくこの子はアトムの子です!!
そんな事はさておき、やはり色彩設計というのは難しいですね、木材の色や土の色、着ている洋服も濃いめや薄めという情報しかないので、それらしく見える色を当てはめてあげる作業だけで時間を要してしまいます。

人物以外の着色も

今回ご依頼いただいたお写真には馬と一緒に写っているお写真もありました。

馬の着色は今回はじめて手がけさせていただいたのですが、普段馬をじっくり見ることなんてほとんどないんですが、あらためて見ると綺麗な色をしています。

光の当たり方によって微妙に変化する毛色の感じ、上手く表現できているでしょうか。

また、この写真は雪の部分も多く、札幌に住んでいると見慣れた光景ではありますが、実は雪も部分によっては白一色では無いんですよね、影の部分は若干青っぽく見えるんです。日の当たる部分は日光に含まれるすべての色の波長が雪で乱反射することにより白く見えますが、影の部分は青以外の光の波長が吸収され、残った青が目に入ってくるので青く見えるとのこと。氷河が青いのも同じ理由だそうです。ということはAppleの壁紙にも採用された美瑛の青い池もおんなじ理由?

今回枚数が多かったのもあり、作業期間を大幅に頂きましたが、混雑具合やお写真の状態により通常の着色は、お写真1点2〜4週間程度でお渡しが可能です。
現在はAIによる自動着色技術もありますが、当館では1色1色手作業で復元しております。
もしお手元に色付けしてほしいお写真がございましたら、ぜひ一度当館へご相談ください!

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